《出演者による独り言という名のプロローグ》
2人目:瀬戸川流来の苛立ち
『そういうわけだから、とりあえず最低でも6人。
頭数だけ集めればいいってわけじゃないぞ。
ちゃんとやる気があって責任を持てるヤツを最低6人。
話はそれからだ』
頭の中でエンドレスリピートされる、昨日じじいに言われた言葉。
…っくそ!
最低6人?
『もう5人集まってるんだ。あと1人くらいすぐだろう?』
簡単に言いやがって!
”もう”5人じゃない!”やっと”5人だ!
初めは俺一人だった。
それを、半年……半年かけてどうにかこうにか4人仲間を集めた。
めぼしいところにはとっくに声はかけてある。
そのほとんどすべてに断られてあざ笑われて罵倒されて、やっとここまで来たと思ったのに!
もう、俺だけの力ではどう頑張ってもこれ以上は無理だ。
「誰か……」
苛立たしげに声がもれる。
「誰か、元気がありあまってる目立ちたがり屋はいねぇーかぁーーーーーーーー!」
俺のその絶叫は、防音設備のある音楽室まで響き渡っていたらしい。
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