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6:変化のとき(2) 永遠子は稔の指先から唇を静かに離すと、恥ずかしそうに(※しつこいですが、あくまで本人の主観です)目をそらした。そして、消え入りそうな小さな声でつぶやいた。 「頬は無理なので、これで許してください」 その言葉に我に返った稔は「うわっ!」と大声をあげると顔を真っ赤にして右手を振り上げ、その勢いで椅子に座ったまま後ろに退いた。 がたたた!ごと!がん!がしゃん! 椅子が後ろの机に激突し、その衝撃で体が浮き上がり、踏ん張ろうと腕を振り回した結果、近くの机が横倒しになった。 「どうしたーーーーーー!?何の音だ!!?何があったーーーーーー!!!?」 例によって例の如く、空気を読む気がない生徒指導部の鬼教師が乱入してきたとき、稔は腰が砕けた状態で床に座り込んでいた。 「どうした!?六原!」 しばらくの押し問答の果てに、なんとか教師を教室の外に押し出した稔は、混乱する頭を落ち着かせようと、大きく何度も深呼吸した。 「あの……」 不安げで心配そうな声に慌てて振り替えると、永遠子が相変わらずの無表情でさっきまで座っていた席の横に立ち尽くしていた。 「……もしかして六原さん、わたしのこと、からかっただけ……でしたか?」 思わず言葉に詰まった稔の様子に、永遠子は恥ずかしさととんでもないことをしてしまったという後悔から真っ青になってうつむいた。 「ごめんなさい。もし、不快にさせたんだとしたら、わたし……」 稔は永遠子の言葉をさえぎって永遠子のもとへ足を急がせた。 |