*あとがき*

「キライな人」、どうにか無事完結させることができました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

この話を思いついた瞬間というのを、今でもはっきり覚えております。

あれは5年ほど前、大学◎年生の冬、雪の降る寒い日でした。
(北海道で「雪の降る寒い日」という言葉にあまり意味はありませんが…。
基本的に11月〜3月くらいまでは毎日「雪が降る寒い日」なので)

地下鉄を降りて大学へ向かう道の途中にある横断歩道を渡ろうとしたその時、突然降って湧いてきた言葉がありました。

「ああ、ロミオ、どうしてあなたがロミオなの」

有名なあの台詞の「は」を「が」に変えただけで、意味が180度変わってしまうではないか!

このひらめき――いがみ合う2人の男女、金村版『ロミオとジュリエット』誕生の瞬間でした。

初めは、このロミジュリを小説で書こうと思ったのですが、如何せん私に中世イタリアの風俗関係の知識がなかったものですから、これを劇中劇にしちゃえー、と考えあらためまして生まれたのが月夜と陽介です。

当初の予定では、この作品、コメディでした。
それが書いているうちにいつのまにやらシリアスに…。
3年前、ちょっとオフで大変落ち込むことがあって、それを乗り切るために負のパワー全開で書きつづったからかもしれません。

でも、結果的にはこれでよかったと思いますし、初めてちゃんとした「小説」の形を整えて完結させることができた作品として、すごく大切な作品になりました。

つたない文章ではありましたが、読んで下さってありがとうございました。
拍手や投票に元気をもらいました。本当にありがとうございました!

この後の予定としましては、この作品のとある人物を主人公にした、スピンオフ的続編「スキな人」を連載予定です。「キライな人」にでてきた何人かは、再び登場します。「キライな人」では曖昧なままだった月夜と陽介のその後もかいま見れます。
こちらはコメディ(いや、シリアスコメディかな?)になるかと思います。
まだ2章分くらいしかストックがないので、すぐに連載開始とはいきませんし、更新もかなりゆっくり目になるかと思いますが、おつきあい下されば幸いです。

では。
みなさんの元に太陽が来て、未来を明るく照らしてくれますように。
2009.8.30

太陽


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